ご注文の集中による配送日変更について
なら 手数料無料で 月々¥1,980から
サイズ:22.5×15.3×2.5cm
著者:フィンセント・ファン・ゴッホ/編訳:二見史郎/訳者:圀府寺司
出版社:みすず書房
ページ数:432ページ
手紙が語るゴッホの人生
--------------------------------------
ファン・ゴッホの没後100年を記念して、全4巻からなる新しいオランダ語版の書簡全集が1990年に刊行されました。これまでに刊行されてきたファン・ゴッホの書簡集は一部に削除、省略、伏せ字などがありましたが、近年それらが開示され、原文の綿密な解読作業による修正もなされてきています。
この日本語版の一巻本選集は、この面目を一新した書簡全集の全貌を簡潔なかたちで日本の読者に示そうとして編者が新たに編んだものです。また、アルルでの共同生活前後のゴーガンの手紙もこの選集のなかに組み込まれています。
編者あとがき
--------------------------------------
「これまで〈神話化〉されてきたファン・ゴッホの伝記を修正する研究が近年発表されている。父親がフィンセントを精神病院へ入れようとした〈ヘール事件〉その他、これまで伏せられてきた文章は公刊されてこの選集にも入れられている……売れない画家の兄は弟に依存したが、弟は兄の仕事を共同で進めるという一体感を強めてゆく——あつれきと感謝、不満と感動を縒り合わせる絆の物語がこの書簡集である。これほど自分の気持をさらけだす文章はめったにない。
セザンヌもゴーガンも自然と都市文明の落差を敏感に意識したことでファン・ゴッホと共通するだろうが、日々の仕事、自然から受ける感動、女性や貧しく、恵まれぬ人びとやすぐれた人物の仕事への敬意などを長文で語る日録さながらのフィンセントの書簡集はドキュメントとして、また記録文学として抜群の価値をもっていると思う。また彼か浮世絵に強い関心を抱いたことだけでなく、一茎の草から宇宙に及ぶ自然への没入が日本の芸術家に見られるとして、その賢者を理想と考える面でも日本の読者はフィンセントになお深い親近感を覚えるのではなかろうか」。
目次
--------------------------------------
凡例
ハーグ 1872年8月-1873年5月
ロンドン 1873年6月-1875年5月
パリ 1875年5月-1876年3月
ラムズゲイトとアイルワース 1876年4月-12月
ドルドレヒト 1877年1月-4月
アムステルダム 1877年5月-1878年7月
ブリュッセルとボリナージュ 1878年7月−1881年4月
エッテン 1881年4月-12月
ハーグ 1881年12月-1883年9月
ドレンテ 1883年9月-11月
ニュネン 1883年12月-1885年11月
アントウェルペン 1885年11月-1886年2月
パリ 1886年3月-1888年2月
アルル 1888年2月-1889年5月
サン=レミ 1889年5月-1890年5月
オーヴェール=シュル=オワーズ 1890年5月-7月
編者あとがき
フィンセント・ファン・ゴッホ年譜
人名索引
著者
--------------------------------------
フィンセント・ファン・ゴッホ
オランダのポスト印象派の代表的画家。オランダ南部の小さな町フロート・ズンデルトで生まれました。27歳になった1880年頃から画家を目指した遅咲きの画家ですが、その活動期間は約10年と短い画家でした。一番の理解者である弟テオに支えられながら、大胆で鮮やかな色彩と感情的で独特のタッチで、精力的に創作活動を行いました。特に、パリから南フランスのアルルに拠点を移した後は、ゴーギャンとの共同生活をした「黄色い家」や、「ひまわり」「夜のカフェテラス」など、現在代表作と呼ばれる作品を次々に生み出しました。ゴーギャンとの共同生活は9週間と短く、精神を病み入院。1890年、拳銃によって自らの命を絶ち、37歳でその短い生涯を終えました。
編訳
--------------------------------------
二見史郎
1928年神奈川県に生まれる。1951年東京大学文学部哲学科卒業。愛知県立芸術大学名誉教授。著書『抽象の形成』(紀伊國屋書店、1970)、『ファン・ゴッホ詳伝』(みすず書房、2010)。訳書 リード『近代彫刻史』(紀伊國屋書店、1965)、『ファン・ゴッホ書簡全集』(共訳、みすず書房、1963)、ビビー『未知の古代文明ディルムン』(共訳、平凡社、1975)、『マティス 画家のノート』(みすず書房、1978)、シャピロ『モダン・アート』(みすず書房、1984)、『アルルのファン・ゴッホ』(みすず書房、1986)、ゴンブリッチ『棒馬考』(共訳、勁草書房、1988)、ティルボルフ編『ファン・ゴッホとミレー』(共訳、みすず書房、1994)、『ファン・ゴッホの手紙』(編・共訳、みすず書房、2001)、ダンチェフ『セザンヌ』(共訳、みすず書房、2015)ほか。
訳者
--------------------------------------
圀府寺司
1957年大阪府に生まれる。1979年大阪大学文学部卒業後、同大学院に進学し、アムステルダム大学美術史研究所に留学(1981‐88年)、文学博士号を取得。オランダ、エラスムス財団よりエラスムス研究賞受賞。現在 大阪大学大学院文学研究科・文学部教授。著書 Vincint van Gogh: Christianity versus Nature, Amsterdam-Philadelphia (John Benjamins), 1990. The Mythology of Vincent van Gogh, Tokyo-Amsterdam-Philadelphia, 1992 (編著).『北方ヨーロッパの美術』(共著、岩波書店、1994)、『西洋美術館』(共編著、小学館、1999)、『ファン・ゴッホ——自然と宗教の闘争』(小学館、2009)、『ゴッホ 日本の夢に懸けた芸術家』(角川書店、2010)、『〈ゴッホの夢〉美術館』(小学館、2013)、『ユダヤ人と近代美術』(光文社、2016)ほか。
参考:出版社ウェブサイト
※この商品は、最短で10月10日(金)にお届けします(お届け先によって、最短到着日に数日追加される場合があります)。
※こちらの価格には消費税が含まれています。
※別途送料がかかります。送料を確認する
新商品やキャンペーンなどの最新情報をお届けいたします。