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2024/09/18 14:20

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美しい花鳥画で私たちを魅了する「田中一村」。亜熱帯の豊かな自然を、深みのある色合いと精密な描写でうつしだし、一村にしか表現できない世界を描きました。ゴーギャンがタヒチに移り住んだように、奄美大島に移住し生涯を終えたことから、「日本のゴーギャン」とも呼ばれています。その人生の歩みと共に、一村の作品が楽しめるミュージアムグッズをご紹介します。

神童として活躍した南画家としての若き日

明治41年(1908)、栃木で彫刻家の父のもとに生まれた一村は、5歳には東京に移り住み、父の指導のもと「南画」を学びはじめました。「南画」とは中国画の二大流派、北宋画とならぶ南宋画のこと。柔らかい描線を用いた主観的写実による山水画は、江戸時代に独自の展開をとげ、「南画」として盛んになりました。

一村はまだ幼いながらも瞬く間に画の才能を発揮し、7歳で雅号をもらうほどの腕前に。「神童」と呼ばれるほど達者な筆さばきで、花や葉を描いていました。

独自の道を歩み始めた模索と挑戦の日々

17歳で「全国美術家名鑑」に名が掲載されていた一村ですが、大正15年(1926)東京美術学校(現在の東京藝術大学)に現役で入学しました。同級生は、東山魁夷をはじめ、加藤栄三、橋本明治、山田申吾らが揃い、昭和6年卒業となることから「花の6年組」と呼ばれるほどの逸材ばかり。しかし、2ヶ月で退学した一村は、独学で歩むことを決意します。

同級生が卒業して画壇で活躍し始めた頃。23歳になった一村は南画と決別し、新たな作画に挑戦し始めます。東京から千葉に移った一村は、主観的風景(心の中にある世界)から、客観的風景(現実の風景や動植物)に移行し、自然のスケッチに明け暮れる日々を過ごしました。

初めての入選で画壇デビュー

新しい画風を模索していた二十代、三十代は、作品の数が少なかったものの、長い沈黙を経て昭和22年(1947)「白い花」で青龍社展に初入選。名前も「一村」と名乗り始め、戦後の美術界で大きく開花しました。

しかし、その後出品した日展や院展などの団体展では、立て続けに落選します。画壇への諦めからか、50歳になる昭和33年(1958)奄美大島への移住を決意。家も売却し、出品画も焼却。数百冊あったとされるスケッチは、リンゴ箱2個分を残して出発の朝まで火にくべ続けました。

全てを捨てて新天地 奄美大島へ

すべてを捨てて、たった一人で新天地に向かった一村は、見るもの全てが新鮮な奄美の暮らしで亜熱帯の彩りを描き留め始めます。紬工場で勤務し、資金を作りながら、南国の明るくて豊穣な自然をモチーフに、目指すべき理想の作品を追い求めていきました。

晩年、恩人への手紙に「わが人生の最後まで絵を描き続けられることになりました。感謝はとても言葉ではつくされません。有難うございました。」としたためた一村。昭和52年(1977)69歳でこの世を去るまで奄美のエネルギーを一身に受け、画家人生を最後まで全うしました。

無名画家から人気画家へ

三回忌である昭和54年(1979)に名瀬市(現在の奄美市)で開催された「田中一村画伯遺作展」を経て、死後7年後となる昭和59年(1984)、NHKテレビ番組「日曜美術館」にて一村の作品が全国放映され、大きな反響を呼びました。無名の画家だった彼の作品やその生涯が知れ渡ることとなり、それと同時に人々の心を掴み、魅了しています。


ミュージアムグッズで「田中一村」作品を楽しもう!

東京都美術館で開催の「田中一村展」に合わせて、常設ミュージアムショップでも田中一村の作品が楽しめるミュージアムグッズを、多数入荷いたしました。その一部をご紹介します。

鮮やかな花鳥画が楽しめるマグネット

一村の作品は、時代によって少しずつ変化しています。東京から千葉へ移住し、スケッチに明け暮れた時代の作品は、こちらのマグネットで。

自宅裏山にある千葉寺の深まる秋を描いた「秋色」。山ぶどう、ヤマイモ、ニシキギ、ツルウメモドキといった木々の紅葉が美しく、丹念に写生された昭和20年代の作品です。他柄では、奄美大島時代に描いた、南国の艶やかな風景も楽しめます。
田中一村 マグネット(中サイズ) 880円(税込)


大判ハンカチ全面で楽しむ艶やかな花鳥画

一村が「本道の信ずる道」として一つの方向性を見出した画壇デビュー作品「白い花」が楽しめるのは、大判ハンカチ。緑鮮やかなみずみずしいヤマボウシの姿が描かれた爽やかな「白い花」が、全面に広がって美しい一枚に。全部で6作品がハンカチになっていて、それぞれに魅力が満載です。
大判ハンカチ 3,080円(税込)

亜熱帯の植生を描いた作品が便箋や絵葉書に

奄美大島で、一村の心をとらえた南国らしい風景が便箋や絵葉書に。右の「ソテツとアダン」は、亜熱帯の景観の一端を、千葉の人々に披露した際の作品です。本土では見られない情景が大胆に描かれていて、一村は奄美の珍しい植生の魅力を伝えたかったのかもしれません。

右:絵葉書 5枚入り 495円(税込)


奄美に渡る前の繊細な花の描写も楽しめる便箋 628円(税込)

他にも、一筆箋やクリアファイル、手鏡やメガネクロスなど、様々なアイテムを豊富に取り揃えております。身近な日用品として、一村が切り取った自然の一隅を慈しんでみませんか?

※当店の田中一村関連グッズは、特別展「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」〈2024年9月19日(木)~12月1日(日)〉公式グッズではありませんので、お間違えの無いようご注意ください。



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