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2023/04/29 09:00

 2023年4月27日(木)より東京都美術館で開催される「マティス展」。ご存じマティスといえば「色の魔術師」として、ピカソに並ぶ20世紀を代表する画家のひとりです。この度、展覧会開催に合わせまして、マティス関連書籍も充実。そして、輸入ポストカードも40種類以上入荷しました!

 マティスは1954年にこの世を去った近代の画家なので、このブログをご覧の方の中には生きる時代が重なっている方もいらっしゃることでしょう。根強いファンも多いですが、「マティスってどんな画家?」と思われた方のために、この機会にぜひマティスの魅力をお伝えしたいと思います。

もともとは法律事務所勤務だった

 1869年、北フランスの小さな町ル・カトー=カンブレジで、商売を営む両親のもとに生まれたマティスは、学校を卒業すると法律事務所で働く、普通の生活を送っていました。そんなとき、病気のため入院することになったマティスは、母親から絵を描く道具をもらったことがきっかけで、21歳という遅咲きの年齢でありながら、画家としての道を歩む決心をしました。後にマティスはこんな言葉を残しています。『生まれて初めて、自由で平和な世界へ行ったようだった。まるで天国を見たようだった』と。


師匠モローとの出会い

 絵を学んでいく中で、アカデミックな技量を重視するデッサン教育にはなじめなかったマティスは、自由な作風に寛容だったギュスタヴ・モローを師とし、親しい仲間にも囲まれながら、画家としての成長を遂げていきました。モローは弟子たちに、特にルーブル美術館で過去の作品を学ぶよう促したといわれています。模写は売れるため、生活の苦しいマティスは小遣い稼ぎもかねて、巨匠たちの絵画を数多く模写し、学びと生活費稼ぎを同時に行っていたようです。27歳でついに「読書する女」がサロンに入選し、初めてフランスの国に作品が買い上げられ、大きな名誉を得ました。


印象派からの流れを受けて

 マティスが画家を志した1890年代のパリは、60~70年代のマネや印象派の流れを受けたモダン・アートが次々と新しさを見せ始めたころ。マティスは、ちょうどゴーギャンやゴッホのほぼ同世代の画家として、様々な交流から芸術動向における新しい風を感じ取っていました。

 同時期に、妻子を養い生活に困窮しているにもかかわらず、なけなしのお金を使い、やっとのことでセザンヌの小さな水浴図を手に入れたマティスは、1936年に寄贈するまでその作品を大事にしていたというエピソードもあります。当時まだ世の中に認められていなかったセザンヌでしたので、マティスはいち早くその魅力に気付いたということ。セザンヌを参考にして表現を模したとされる作品もあるほど、マティスのセザンヌへの想いは強かったようです。

 また、マティスは絵画だけでなく彫刻も試み、あのロダンに助言を求めたとも言われています。このように、私たちが知る巨匠のたちが、その当時リアルな人間関係を構築していたことを知ると、不思議な気持ちになりますね。

「野獣(フォーヴ)」とよばれて

 36歳になったマティスに転機が訪れます。パリの展覧会に出品した作品「開いた窓」などが、伝統とは対極の強烈な色彩と荒々しいタッチが洗練された「フォーヴ」つまり「野獣」のようだ、と批評されました。仲間とともに「フォーヴィズム(野獣派)」と呼ばれ、良くも悪くも新しい流れとして注目されます。しかし、その時の色彩は感情のままに描かれたわけではなく、セザンヌに学んだ色彩表現が用いられていたのです。

 「フォーヴィズム(野獣派)」と呼ばれた彼らはのちに別々の作風へと展開していきましたが、マティスはこの時期に見出した彩色の技法をもとに、自分自身の芸術の道を追求していきました。画廊との契約やパトロンとのつながりを得ることができ、マティスにとってこの30代半ば~40代は、重要な時期だったとも言えます。

広がる切り紙絵の世界

 マティスは画家として認められたのち、南フランスで制作を始めるようになりました。油彩の作品を作り続ける一方で、美術館の壁画や本の挿絵など、幅広い仕事を請け負っていました。やがて70歳を過ぎた頃、大病に見舞われたマティスは手術後に静養を余儀なくされます。室内画が多くなり、のちに「切り紙絵」という紙とはさみを使った手法で表現する道を手繰りよせました。とくに有名なのが「ジャズ」という20点もの切り紙絵が掲載された一冊の本。この本は成功し、マティスにとって切り紙絵が重要な表現媒体になっていきます。


晩年の傑作 ロザリオ礼拝堂

 最後の大きなお仕事は、ニースの近くの町ヴァンスのロザリオ礼拝堂の装飾でした。建築から内装、そして司祭の服まで総合的な制作を担います。切り紙絵のステンドグラスは色鮮やかに礼拝堂を光で満たし、建築家のル・コルビュジェが迷わず称賛の手紙を送ったほど。晩年のマティスが4年もの歳月をかけて取り組んだ、人生の集大成ともいえる心地よい空間となりました。光あふれる神聖な礼拝堂…、人生で一度は訪れてみたい場所の一つです。


 全体的に鮮やかな色彩が目立つマティスの作品ですが、年代に合わせて追っていくと、少しずつ作風が変化している様子がよくわかります。書籍でマティスの人生をじっくり深掘りしながら、数あるポストカードを一枚一枚時代ごとに辿っていくのも楽しいですね。

 ポストカードは、手紙として送るだけではなく、はがきフォルダに入れて自分好みの画集に。またある時は、フレームに入れて部屋を彩るインテリアに。シンプルで王道のミュージアムグッズなので使い方は無限大。みなさんのオリジナリティ溢れるポストカードの楽しみ方がありましたら、ぜひ教えてくださいね!

46枚の豪華ポストカードセット

 今回、マティス展に合わせて入荷したポストカードは全部で46種類。しかし、こちらのポストカードは輸入品のため、在庫が豊富ではありません。中には、数枚しか入らなかったものも。そんな中で、オンラインショップのみの特別商品として、この46枚すべてを1枚ずつ集めた豪華セットをご用意しました。46種類の中には、このセットが売り切れたのちに廃盤になるものもあり、46種類すべてが購入できるのはこの2セット限り。

特別な限定販売品のため、ご検討・購入のご準備期間を設けまして、発売日を下記の日程でスタートさせていただきます。美術館内の店頭でも販売しておりませんので、あらかじめご了承ください。

■発売開始日
2023年4月30日(日)12時 オンラインショップにて発売
※限定2セット

《御礼》完売致しました。

マティスの世界が存分に楽しめる、そんな豪華セットをどうぞお楽しみください。




▼参考文献
「もっと知りたいマティス 生涯と作品」天野知香 著 東京美術
「おはなし名画シリーズ マティス」博雅堂出版

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