『別冊太陽 日本のこころ272 クリムトとシーレ 世紀末ウィーンの革命児』
監修・執筆:千足伸之(美術史家・広島県立美術館館長)
執筆:
池内紀(ドイツ文学者・エッセイスト)
冨田章(東京ステーションギャラリー館長)
山口徹(日本近代文学研究)
多田由美(漫画家)
平松礼二(日本画家)
編集人:竹内清乃
出版社:平凡社
サイズ:A4変(22×29×1.3㎝)
ページ数:164
各分野の著名人が選ぶクリムトの名作
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著名なファッション・デザイナーやピアニストなどが選ぶ、
世紀末ウィーンを代表する画家、グスタフ・クリムトの名作と、
巻末には同時代に活躍したエゴン・シーレの傑作選が収録されています。
美しい図版とともに多角的な作品解説が充実していて、
クリムトの作品は油彩だけではなく素描も掲載されています。
クリムトと言えば代表的な作品「接吻」などの黄金の画面が特徴的ですが、
黄金を封印した色彩の時代、そして風景画など、
様々な作風を持つクリムトの絵画への探求心がうかがえる、
彼の生涯とともに作品を追った一冊です。
目次
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世紀末の「聖なる春」を生きたグスタフ・クリムト 千足伸行
世紀末ウィーンの幻惑 千足伸行 作品解説・冨田章
Ⅰ クリムト以前のクリムト
Ⅱ 黄金時代
Ⅲ 奔放な描線 クリムトの素描
Ⅳ 開放された色彩
Ⅴ 無人の風景
旅するクリムト アッター湖の夏
世紀の転換期を駆け抜けた夭折の天才 エゴン・シーレ 池内紀
クリムトからシーレへ―― エゴン・シーレ「生と死の円環」
Ikeuchi Selection シーレ10選
世紀末芸術が息づくウィーンを訪ねて
ベートーヴェンとクリムト 仲道郁代
クリムト紹介者としての森鴎外
クリムトとモード コシノジュンコ
美しいローレライに誘われた話 多田由美
「飾り」とクリムト 平松礼二
クリムト・シーレ略年譜
グスタフ・クリムト(1862⁻1918)
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19世紀末、ウィーンで活躍したユーゲントシュティール(象徴主義)を代表するオーストリアの画家。ウィーン分離派というグループを立ち上げ、主要メンバーの一人として活躍しました。絵画、壁画、スケッチ、その他さまざまな芸術作品を残しましたが、中でもクリムトの全盛期とも言われる「黄金様式」の金箔を用いた煌びやかな作品が有名です。画風は、日本美術からも影響を受けたと言われ、装飾的な独自の絵画表現で、一世を風靡しました。
クリムトは、主に「女性」を題材とした多くの作品を残しています。その絵画の中の女性は官能的で美しく、ファム・ファタル(宿命の女)を題材とした絵も多く描きました。クリムトが生涯残した作品(油彩・未完含む)は、220点あまりとされています。
エゴン・シーレ Egon Schiele(1890-1918)
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オーストリア・ウィーンで活躍した画家。短い生涯でありつつも、19世紀末を経て芸術の爛熟期を迎えたウィーンで、当時盛んであったクリムト率いるウィーン分離派や象徴派、表現主義に影響を受けながら、当時の常識にとらわれない、人間の死とセクシュアリティを追求した、挑戦的で強烈、個性的な画風を確立させました。
体を極端にひねったり、うずくまったり、膝を抱え込んだりと、印象的で独特な人物画のポーズが特徴です。
1890年、ウィーン近郊で生まれたシーレは、幼少の頃から絵の才能を発揮し、1906年には学年最年少の特別扱いでウィーン美術アカデミーに入学しました。
しかし、アカデミーの保守的な古典主義に馴染めず授業を離れ、尊敬するグスタフ・クリムトの弟子となります。
1909年、19歳になったシーレは、仲間と共に「新芸術集団」を結成。
独自の表現主義的な画風を確立しました。
第一次世界大戦に翻弄されるも、作品発表の機会を得て国際的に評価が高まり、社会的な成功を収め始めた矢先、スペイン風邪が流行し夫婦で感染。
妊娠中の妻・エーディトが亡くなった3日後、シーレも命を落としました。
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