サイズ:15×15×2㎝
著者:冨田章
出版社:講談社
単行本(ページ):239ページ
小さな印象派事典
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マネ、モネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、スーラ……
印象派とその周辺画家32人の作品150点をやさしく解説。
画家の生涯や、人物相関も紹介しているので、より深く印象派を理解することができます。
「なぜ印象派はこんなにも人気があるの?」
「どんなグループでどんな絵を描いたの?」
そんな疑問にも、わかりやすく答えています。
毎年必ず開催され、多くの人たちの目を楽しませてくれる印象派展。
本書は、展覧会の予習・復習にもぴったりの一冊です。
ミュージアムショップスタッフ【ムライ】オススメ
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「まさに小さな美術館」
文庫本よりは大きいけれど、両手で持ってもそれほど重さを感じないこのサイズで印象派の図鑑が見られるのは嬉しいポイント。
パラパラとめくるだけでも楽しい一冊になっています。
眺めているとその表現の幅に、一言で「印象派」と言ってもこんなにあるのだと驚かされました。
面白いと感じたのは冒頭にある印象派MAP。
ゴッホの住居の近くにはドガやゴーガンのアトリエがあり、ルノワールが描いた「ムーランドギャレット」の舞台となったギャレット(ガレット)の風車の名を持つダンスホールも近くにあるなど当時の様子を伺うことが出来ます。
また「ポスト印象派」「印象派」「世界の印象派」などセクションごとに解説が入っているので理解しやすく、ゴッホとゴーガンなど関係の深い人物は近いページに載っている部分も覚えやすいので勉強にも役立つかもしれません。
イラストで描かれた画家が言っているセリフも、的を射てクスッと笑える部分もあり、飽きずに読み進められました。
美術検定や学校で学んでいる人にも、おすすめしたい一冊です。
目次
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印象派Q&A そもそも「印象派」って何でしょう?
印象派人物相関図
印象派MAP
Part1 先駆者たち
コロー、ミレー、クールベ、マネ 他
Part2 印象派
モネ、ルノワール、ピサロ、ドガ、シスレー、モリゾ 他
Part3 ポスト印象派
スーラ、セザンヌ、ゴーガン、ゴッホ
Part4 世界の印象派
サージェント、セガンティーニ、ホドラー、黒田清輝、児島虎次郎 他
著者
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冨田 章
美術史家。東京ステーションギャラリー館長。1958年、新潟県生まれ。慶應義塾大学、成城大学大学院卒業。財団法人そごう美術館、サントリーミュージアム[天保山]を経て、現職。専門はフランス、ベルギー、日本の近代美術史。
著書に『偽装された自画像』(祥伝社)、『ビアズリー怪奇幻想名品集』(東京美術)、『魅惑のベルギー美術』(神戸新聞総合出版センター)、訳書に『クリムト』、『ゴーガン』『ゴッホの手紙─絵と魂の日記』(以上、西村書店)などがある。
印象派の始まりは酷評!?
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アート好きなら知らない人はいない(!?)「印象派」。
その名前は、モネの代表作「印象・日の出」(1872)に由来すると言われています。
サロンに落選していたモネは、独立した自由な発表の場を求め、自らの手で展覧会を開こうと模索したのが始まりでした。
1874年、モネが同じ志の仲間たちと開催したその展覧会こそが、のちの第一回印象派展となるグループ展。
モネのほかに、ドガ、ピサロ、ルノワール、シスレーなど30人以上の画家が参加しました。
モネは、故郷ル・アーヴルの港を描いた「印象・日の出」を出品しましたが、当時写実主義が高く評価されていた時代、その異端な作品は酷評されてしまいました。
―――批評家のルイ・ルロワが、新聞紙『ル・シャリヴァリ』に載せた言葉。
「印象か。確かにそうだと思った。私も印象を受けたんだから。つまり、その印象が描かれているというわけか。だが、なんて自由で、なんといういいかげんさ。この海の絵よりも作りかけの壁紙の方が、よっぽどましだ。」
その揶揄がもとで、彼らは「印象派」と呼ばれるようになりましたが、その呼称はいつしか受け入れられ、画家たち自身も使うようになりました。
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